前回の記事では、1つの商品の「利益」と「回転率(売れる速さ)」についてお話ししました。1商品あたりで「いくら残るのか」「どのくらいで売れるのか」は、少しイメージができたのではないでしょうか。
でも、いざ副業を続けていくと、こんな“もう少し広い”疑問が出てきませんか?
- 「1ヶ月に、何個くらい仕入れればいいの?」
- 「在庫は何個くらい持っておけばいいの?」
- 「月にどのくらい売れれば、目標達成なの?」
これは、1つの商品の視点から「自分のお店全体」の視点へ、一段上がった疑問です。
この記事を読むと、目標金額から逆算して「必要な利益・回転率・在庫数」を自分で組み立てられるようになります。自分の在庫を“自分のお店”としてイメージし、月の目標を数字で設計できるようになるのがゴールです。
ポイントは、「利益 × 回転率 × 在庫数」の3つ。この3つを組み替えれば、月にいくら稼ぎたいかを逆算で設計できます。それでは順番に見ていきましょう。
1. まず「月にいくら稼ぎたいか」目標を立ててみる
最初にやることは、とてもシンプルです。「月にいくら稼ぎたいか」を決めること。
僕も始めたときは、月5万円を一つの目標にしていました。いきなり大きな額をねらうより、まずは“現実的に届きそうな数字”から始めるのがおすすめです。
目標が決まったら、前回お話しした「利益」のイメージをもとに逆算して、1ヶ月に売る商品数を考えてみましょう。
目標:50,000円
1商品あたりの目標利益:2,500円
(※始めのうちは利益を出すのが難しいので、2,000〜3,000円くらい。ここでは平均2,500円としてみます)
50,000円 ÷ 2,500円 = 20個
つまり、「1個あたり2,500円の利益が出る商品を、月に20個売ればいい」ということが見えてきました。
これで、とりあえずのゴール(月に売る個数)が見えましたね。次は、この「利益」の話を「回転」の話につなげていきます。
2. 「在庫数」から売る速さ=回転率をイメージする
月に20個売る——ここで「じゃあ月に20個仕入れればいいのか」と思いがちですが、実はそう単純ではありません。
なぜなら、仕入れたものが、その月に全部売れるわけではないからです。ここで出てくるのが「回転率」です。
回転率とは、持っている在庫のうち、その月にどのくらい売れたかの割合のこと。たとえば在庫のうち1ヶ月で半分が売れたら、回転率は50%です。
正直、僕の肌感覚だと、回転率50%はよく目標にされますが、実際に達成するのは意外と難しいです。ただ、ここではわかりやすく回転率50%で考えてみましょう。
では、1個2,500円の利益で20個売って、回転率50%を実現するには——在庫は何個必要でしょうか? 答えは40個です。
在庫40個 × 回転率50% = 20個が売れる
20個 × 利益2,500円 = 月の利益50,000円
つまり、月5万円を稼ぐには、「1商品2,500円の利益が出る商品を40個仕入れて、回転率50%で売れれば目標達成」ということになります。ここまでを表にまとめると、こうなります。
| 項目 | 数字 |
|---|---|
| 月の目標利益 | 50,000円 |
| 1商品あたりの利益 | 2,500円 |
| 月に売る個数 | 20個 |
| 想定する1ヶ月での回転率 | 50% |
| 必要な在庫数 | 40個 |
3. 「利益 × 回転率 × 在庫数」で自分の目標を設計する
ここまでで、大事な3つの数字がそろいました。
- 1商品あたりの利益
- 回転率
- 在庫数
この3つを組み替えることで、「自分が月にいくら稼げるか」を自由に設計できるようになります。目標金額を決めて、利益と回転率から必要な在庫数を出す。逆に、手持ちの在庫と回転率から、月にいくら稼げるかを計算することもできます。
かなりややこしく感じるかもしれません。でも、ここを少しでも理解してアパレルせどりに取り入れられると、今後の目標計画や、達成までのロードマップを“自分で”描けるようになります。つまり、人に頼らず自走して考えていけるということです。
※始めたばかりの時期について
始めたばかりの月は、まず在庫集めからのスタートになります。だからすぐには綺麗に数字へ落とし込めないと思います。でも、自分が「持っておきたい在庫数」まで商品がそろえば、そこからは上の考え方で回していけます。
ここで、実際の僕の例をお話しします。
僕は今、だいたい在庫120個・1商品あたりの利益5,000円平均・回転率50%という、少し高めの目標を立てています。この設定だと、計算上は——
120個 × 回転率50% = 60個が売れる
60個 × 利益5,000円 = 月30万円
…と、月30万円くらい稼げるイメージになります。ところが現実は、回転率が30%以下になってしまうことが多く、実際は月10万円台後半(18万円弱)くらいに落ち着いています。
でも、これはこれで大きな気づきになります。「30万円の想定に届かない=回転率にボトルネック(つまづき)がある」とわかるからです。
そうすると、「じゃあ回転率をどう上げようか」という次の一手が見えてきます。たとえば——
- 値付けを少し安くしてみる
- 回転の速いブランドを中心に仕入れる
- カバンや財布など、回転の速い商品を増やす
こうやって数字を見ながら改善を回していく(PDCAを回す)ことが、事業ではとても大切です。数字が具体的になると、人によってはゲーム感覚で楽しめるかもしれませんね。
4. 在庫の“商材バランス”:季節商材と通年商材
最後に、在庫の“中身”の話です。3章で少し触れた、回転率にも関わる大切なポイントです。
アパレルブランドせどりの「アパレル」の部分は、実は季節性がかなり強く関係します。日本にはしっかり四季があり、季節に応じて着るものが大きく変わりますよね。
つまり、アパレル(洋服)は季節商材です。売るタイミングが難しく、売れ残ると利益や回転が落ちやすいのが難点。ただ、タイミングがハマれば大きく伸びることも多いにあります。
その不安定さ・難しさを埋めてくれるのが、通年商材です。カバンやバッグ、靴、小物類、スーツなど、季節に関係なく売れる商品ですね。これをある程度の割合で在庫に持っておくことが、とても大切です。
僕の場合は、季節によって、この割合を変えています。
| 季節 | 季節商材(アパレル・アウター等) | 通年商材(カバン・財布・小物等) |
|---|---|---|
| 冬 | 90% | 10% |
| 夏 | 60% | 40% |
冬は、アウターなどが高く売れるので、アパレル(季節商材)を90%まで攻めます。逆に夏は、アパレルの単価が下がったりタイミングが難しくなるので、通年商材を40%まで増やして、在庫を安定させるようにしています。
整理すると、全体の流れはこうです。
- 目標金額から逆算して、利益・回転率・在庫数を決める
- その在庫数を、毎月の仕入れで少しずつそろえていく
- 在庫がそろってきたら、季節商材と通年商材の割合を調整して、利益と回転率を安定させる
まとめ:自分の在庫を“自分のお店”として設計しよう
今回は、1商品の視点から一歩引いて、「お店全体」で数字を設計する考え方をお話ししました。ポイントをおさらいします。
- 月の目標金額を決める
- 1商品の利益から、売る個数を逆算する
- 回転率から、必要な在庫数を出す
- 季節商材×通年商材の割合で、安定させる
この「利益 × 回転率 × 在庫数」の3つの数字を自分に合わせて変えながらうまくコントロールできれば、自分が月にいくら稼ぎたいかを、逆算で設計できるようになります。
最初はややこしく感じても大丈夫です。自分の在庫を“自分のお店”だと思えると、在庫管理もぐっと楽しくなります。数字を具体的に落とし込みながら、あなただけの目標ロードマップを描いていきましょう。


コメント