ヤフオクで1円スタートをやってみよう。そう思って調べたとき、僕が知りたかったのは、初心者が最初の出品で何につまずくかでした。
手数料の説明や、売れたあとの結果は見つかる。でも「初めて出すとき、実際にどこで手が止まるのか」という体験談は、僕が探した範囲ではなかなか見つかりませんでした。
だったら、自分の1回目を書こうと思いました。
2026年9月20日、スーツなどのアパレル15点を、すべて1円スタートで出品しました。準備から出品まで、作業時間は合計5時間程度。写真やタイトルで悩み、終了日時を間違え、その前には仕入れた商品の虫食いも見つかりました。
この記事は、最初の出品を終えるまでの記録です。落札結果はまだ書きません。
メルカリには慣れていても、ヤフオクでは分からないことがありました。これから始める人が、僕と同じところで手を止めずに済むように、格好悪いところも含めて残します。
1.メルカリの在庫が回らない。だから1円スタートを試した
僕には、高く値付けする癖があります。
もう少し高く売れるのではないかと考えて、値段を付ける。そのまま売れず、在庫が残る。今回あらためて確認すると、在庫の3割以上が長期在庫になっていました。
メルカリでは自分で販売価格を決められます。ただ、売れないまま待っていても、自分の値段が高いのか、見つけてもらえていないのか、買う人がまだ現れていないのかは切り分けにくい。仕入れに使ったお金も、在庫のまま動きません。
僕は、近いうちに本業を辞めるつもりでいます。そのあとの生活を考えると、利益だけでなく、商品を売ってお金を回収するまでの速さも身につけたいと思っています。
そこで試したかったのが、買い手の入札で値段が決まる1円スタートでした。今回は1週間で区切り、どんな反応があるかを見ることにしました。
もちろん、1週間で必ず売れるわけではありません。入札がなければ売れ残りますし、1回の落札価格だけで相場が分かるとも思っていません。それでも、自分で高く値付けして待つ以外の経験をして、相場感を身につけたかったのです。
2.出す前からつまずいた。虫食いと、あてにならない記憶
用意した10点のうち、3点に虫食いがあった
最初は、この企画のために新しく仕入れた10点を出す予定でした。
ところが出品準備中、3点に大きめの虫食いが見つかりました。買うときには気づいていませんでした。
そのときの気持ちは、体験メモにこう残しています。
ヤフオクの在庫を揃えることに一生懸命で検品ちゃんとできていなかったな。また安い商品ばっか見てたから状態も悪いだろうしより検品しとけばよかった。腹立ちました。
見落とした理由を振り返ると、「早く在庫を揃えなきゃ」という焦りでした。
安く仕入れられれば、1円で落ちても損失を小さくできる。そこに気持ちが向いて、肝心の状態を見るところが甘くなっていました。安いからこそ、傷みがないかをもっと見ておくべきでした。
特にウール系は、虫食いだけでなく、汚れや破損も確認する。以前から分かっていたはずなのに、今回また見落としました。
見つけた3点はほかの在庫から隔離し、今回の出品から外しました。最終的には、新規仕入れ7点と、手元にあった長期在庫8点の計15点を出しています。
店頭で見る場所や、僕がこれまで見落としてきた原因は、アパレルせどりの検品の記事にまとめています。今回も、その中で書いた「焦り」が出てしまいました。
「去年、1,500円くらいで買った」は間違っていた
差し替えで入れた商品の一つは、去年、1,500円くらいで買ったつもりでいました。
台帳を見たら、実際は今年の2月、2,090円でした。
買った年も違うし、金額も590円違う。僕の中では、もう長く持っている商品という感覚だったのですが、記録とは合っていませんでした。
仕入れ値が違えば、いくらで売れれば赤字にならないかも変わります。台帳を見なければ、この記事にも間違った数字を書いていたと思います。
3.写真を10枚に絞り、タイトルの言葉を選ぶのに悩んだ
スーツの上下を、10枚でどう伝えるか
写真は15点とも10枚ずつ使いました。
メルカリでは最大20枚、ヤフオクでは最大10枚。スーツは上下があるので、いつもの感覚で考えると、10枚はかなり少なく感じました。2026年9月時点の掲載枚数は、メルカリ公式ガイドとYahoo!オークション公式ヘルプで確認できます。
全て10枚ですね。スーツが多くメルカリは20枚だからこそかなり少なく感じて、かなり考えて10枚に厳選しました。
全体を見せたいし、状態も伝えたい。タグや素材も、判断してもらう材料になります。ジャケットだけで枠を使ってしまえば、パンツの情報が足りなくなる。
撮影そのものよりも、何を残して10枚に収めるかを考えるのが大変でした。「撮れた写真を全部入れる」ができないので、1枚ごとに何を見てもらうのかを考える必要がありました。
アプリで撮った写真が、手元に残っていなかった
次から変えると決めたのが、写真を撮る場所です。
僕が今回ヤフオクアプリで撮影した写真は、端末のカメラロールに残っていませんでした。メルカリを使っていたときの感覚で進めていたので、ここは困りました。
写真が出品画面に入っていることと、自分の端末に元画像があることは別でした。別の出品に使いたくなったとき、手元から読み込み直せません。
また、公式ヘルプでは下書きは10件までです。今回の15点全部を、下書きだけで残しておくこともできません。下書きの保存条件はこちらです。
次からは、先にスマホのカメラアプリで撮り、その写真をヤフオクに読み込むようにします。端末やアプリの設定による違いまでは確認していませんが、少なくとも僕の今回の使い方では、写真を別に残す必要がありました。
65文字の枠で、商品の売りをどう並べるか
タイトルは、65文字の枠を意識して作りました。
今回の僕の並べ方は、「美品」などの状態、ブランド、商品名、サイズ、色、素材。そのうえで、その商品の一番の売りを【】に入れ、ほかの付加価値も加える形です。状態の言葉は、実物に合うものを使います。
ブランド名も、例えば「レノマ」と「renoma」のように、カタカナと英語の両方を入れるようにしました。
ただ、65文字を使い切れなかった商品もあります。文字数の枠があっても、そこに何を入れればよいかは別の話でした。自分が売ろうとしている商品の特徴を、言葉で挙げていく必要があります。
ここで一つ、検索の仕組みは正確に補足しておきます。ヤフオクは「商品説明が絶対に検索されない」わけではありません。公式ヘルプでは、条件指定検索の初期設定はタイトルですが、「タイトルと商品説明」を選ぶと説明文の冒頭1,000文字も対象になります。検索対象についての公式説明です。
それでも、タイトルだけを見て探す人に伝わるように、ブランドやサイズ、商品の特徴をタイトルに入れておきたいと思いました。今回の並べ方でどれだけ見つけてもらえるかは、まだ分かりません。
ブランド候補が、思った名前では出てこない
ブランドの登録でも手が止まりました。
「洋服の青山」を登録しようとして「AOYAMA」と入れたのですが、思っていた候補が出てきませんでした。言葉を変えているうちに見つかったものもあれば、そもそも登録のないブランドもありました。
タイトルを考える作業と、登録欄の候補からブランドを選ぶ作業。似ているようで、ここでも別々に手間がかかりました。
4.出品設定は、メルカリの感覚では進められなかった
出してから、元の文章を自由に直せない
出品後にタイトルや元の商品説明を書き換えられないことも、気を使ったところです。
正確には、商品説明の追記や、合計10枚までの画像追加はできます。ただし、最初に載せた内容を修正・削除するのとは違います。元の内容を直す必要がある場合は、取り消して出し直すことになります。出品後に追加できる情報は、公式ヘルプに整理されています。
さらに、一度でも入札があった出品の取り消しには、通常1出品あたり550円の手数料がかかります。一度も入札がなければ、この取消手数料はかかりません。これは2026年9月時点の公式の取り消しルールです。
削除するのもリスクあるし大変だなと感じました。
入力が終わったから、そのまま押す。そういう進め方はしにくいと感じました。タイトル、説明、写真に加えて、終了日時も、出す前に見ておく必要がありました。
終了日時の「日」と「時」と「分」でつまずいた
今回の操作では、終了する時間帯を選び、分の部分には出品ボタンを押した時刻が反映されました。
同じ終了日の同じ時間帯を選んでも、何分に出すかで終了する分が変わる。終了を10分ずつずらしたければ、出品ボタンを押す間隔も考えないといけませんでした。
僕はこの仕組みを十分に分からないまま進め、1点だけ終了日を水曜日にしてしまいました。その1点は取り消して、出し直しました。
公式ヘルプでも、終了日時は1時間単位で選ぶこと、下書きなどから再開したときには終了日時を再設定することが案内されています。終了日時の公式説明はこちらです。
「日曜の夜に終わらせたい」と決めているだけでは足りませんでした。最後の確認画面で、実際にどの日の何時になるかを見るところまでが設定でした。
自動延長の項目を探したが、最初から「あり」だった
自動延長を付けたかったのですが、その設定項目が見当たりませんでした。
調べると、僕のように対象のLYPプレミアムへ登録していない場合は「あり」で固定でした。項目を探していたけれど、最初から希望どおりの設定だったのです。
なお、公式ヘルプでは、対象プランの会員でも、ヤフオクアプリからの出品では自動延長は「あり」になります。会員かどうかだけでなく、アプリかブラウザーかでも違うところでした。会員プランと出品機能の違いを確認できます。
自動延長は、終了前5分の間に価格が上がると、終了が5分延びる仕組みです。入札があっても価格が上がらなければ延長されず、延長後も条件を満たせば繰り返されます。自動延長の公式説明です。
5分間隔では、終了が重なるかもしれない
出品は、前半を5分おきに進めました。後半の5点は、13〜16分ほど間隔が空いています。
あとから気になったのが、自動延長も5分だということでした。先の商品が競り合って延長されれば、次の商品と終了時刻が重なる可能性があります。
次は10分以上空けてみようと思っています。ただし、それでも延長が繰り返されれば重なります。間隔を空ければ解決する、とまでは言えません。
今回の5分間隔が実際に売れ方へ影響するかは、結果を見ないと分かりません。今の段階では「短すぎたかもしれないと感じた」というところです。
最後に出した2点が、終了順では先頭になった
もう一つ、時間の設定を間違えました。
出品作業中に時刻が次の「時」に進んだのに、終了時刻の「時」を直し忘れたのです。その結果、最後に出した2点が、終了順では先頭に来てしまいました。
気づいたのは、全部出し終えたあとでした。そのまま終了日時だけを直すことはできません。
出す順番を考えていても、設定した終了日時が違えば、その順には終わらない。当たり前のことですが、15点を続けて操作していると、そこを見落としました。
5.「全部1円で落ちたら」を先に計算した
今回は送料を落札者負担にした
お金の計算では、送料を誰が負担するかを分けて考えました。今回は落札者負担です。
落札システム利用料を10%として概算すると、送料を落札者から過不足なく受け取り、有料オプションなどを使わない場合、1点の損益分岐の目安は次の式になります。
赤字にならない落札価格の目安=(仕入れ値+梱包資材費)÷0.9
落札価格から手数料10%を引いた残りで、仕入れ値と梱包資材費を回収する計算です。送料を自分で負担する場合は、分子に送料も足します。
例えば計算用の仮の数字として、仕入れ1,050円、梱包資材30円なら、目安は1,200円。1,200円の90%が1,080円なので、仕入れと梱包を回収できます。これは今回の商品の実績ではありません。
2026年9月時点の通常の手数料は10%ですが、実際には端数処理があります。この式は出品前の概算に使い、取引後は明細で確かめます。落札システム利用料の公式説明はこちらです。
発送方法の違いを、自分の送料負担と混同しない
薄手の商品ならゆうパケットポスト、かさばるものなら宅急便など、商品によって発送方法が変わります。
メルカリでの経験からサイズ感は考えられましたが、薄手の商品も、梱包してみないと厚みが分からないことがあります。発送方法は、梱包後の大きさで確認する必要があります。
送料が落札者負担なら、その送料をそのまま自分の損失に足すわけではありません。ただ、買う側は落札価格に送料を足して払います。商品が安くても、送料込みでどう見えるかは気になるところです。
反対に出品者負担なら、送料が高くなるほど自分の利益が減ります。同じ「発送方法の違い」でも、どちらが払うかで計算が変わります。料金や利用条件は、出品時におてがる配送の公式案内を確認してください。
1円で落ちる場合に、失う金額を見ておく
1円スタートは、1人だけが入札し、そのまま競り上がらなければ、本当に1円で落札されます。入札がゼロなら、落札されずに終了します。
僕は出す前に、全部が1円で落札された場合を計算していました。
考え方は、仕入れ代、梱包資材費、自分が負担する送料、手数料などの費用を足し、落札代金を引くことです。今回は送料を落札者が負担するので、自分で負担しない送料は足しません。
全部1円なら、仕入れた金額はほぼ回収できず、梱包資材費なども持ち出しになります。それを見たときの感覚は、こうでした。
大きいけど勉強代ならギリギリいいかなと
お金だけでなく、相場感や出品の経験も得たいと思っていました。得たいものと、失う可能性がある金額を先に考えていたので、出品するときの怖さは小さかったです。
ただ、これは「全部1円で落札され、取引が完了した場合」の試算です。あらゆるトラブルまで含めた損失の上限を保証するものではありません。僕自身が、この条件なら試せると判断するための計算でした。
6.出し終えて、自分の見方のずれにも気づいた
一番不安な1点は、損益分岐が一番低かった
出したあと、一番不安になったのは4Lのスーツでした。
大きいサイズ以外に売りがなく、安っぽく見えたからです。高く売れる気がしませんでした。
ところが、その商品は15点の中で仕入れ値が一番安く、損益分岐も一番低いものでした。
僕が気にしていたのは「高く売れるか」。でも、お金の計算で見れば「いくらで売れれば仕入れを回収できるか」という見方もあります。そこを見ずに、不安になっていました。
損益分岐が低くても、必ず売れるわけではありません。それでも、売れそうな印象と、失う金額の大きさは、分けて見ないといけないと感じました。
撮影したときに、商品の印象が変わった
そのスーツを安っぽいと感じたのは、仕入れたときではありません。出品準備で見たり、撮影したりする中で感じたことでした。
撮影では、表だけでなく裏や内側、タグまで見ることになります。店で手に取ったときとは違う時間のかけ方で、商品と向き合います。
そう考えると、値付けは撮影のあとにしたほうが、自分の見方と合うのかもしれません。今回は1円スタートなので価格を変えた話ではなく、今後メルカリなどで試してみたい仮説です。まだ、その順番で売れ方が変わるかは確認していません。
次は、15点を出した結果を残します
最初の出品は、分からないことばかりでした。写真を絞ること、元画像を手元に残すこと、タイトルの言葉、終了日時の設定。メルカリで出品していても、そのまま進められるわけではありませんでした。
慣れは大切だと感じました。だからしっかり1回目を考えてできたから今後にもいきそう。
初めての1円スタートが怖いなら、まず「全部1円で落ちた場合、自分はいくら負担するか」を計算するところから始めると、判断しやすいと思います。僕はその金額を見て、今回の15点を出すと決めました。
終了は9月27日の日曜日を予定しています。自動延長があるので、実際に終わる時刻はまだ分かりません。
新しく仕入れた7点と、長く持っていた8点がどうなるか。今回つまずいた設定や準備が、結果にどう関わるか。次の結果編で、利益率や1点あたりの数字とあわせて振り返ります。

